アキラ100%
アキラ100%(アキラひゃくパーセント、1974年8月15日 - )は、日本のお笑いタレント(ピン芸人)。
本名は大橋 彰(おおはし あきら)。埼玉県秩父市出身。SMA NEET Project所属。
来歴・人物[編集]
身長170cm。血液型はA型。埼玉県立熊谷西高等学校[2]、駿河台大学卒業。趣味・特技はスノーボード、テニス、将棋、写真撮影。中学の社会科と高校の公民の教員免許を持っている[3]。
小学生・中学生時代は学級委員や生徒会長を務めるなど、本人曰く真面目な生徒だった[4]。高校生時代の部活は演劇部。大学生時代も小劇団で役者活動をしていた[1]。チャップリンとコメディーが好きで、元々俳優志望だった[1]。大学卒業後に芸能事務所に就職し[4]、20歳代の頃は椎名桔平の付き人、運転手をしていた[4][5]。しかしこの当時は何をやっても失敗ばかりで、自分に嫌気が差して置き手紙を残し、逃亡という形で事務所から姿を消した。それ以来、椎名とは20年以上会っていなかった。このことを2017年6月25日放送の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に出演した時に、本当に謝りたいと話しており、椎名からこの番組を通してアキラ宛てに「20年よくがんばったね。本当におめでとう」と夢が叶ったことを祝福する内容の手紙が送られた[6]。
2005年1月に大学時代の同級生の新田裕樹とのお笑いコンビ『タンバリン』を結成。担当はボケ役。タンバリン時代の芸名は大橋 央旺(おおはし あきら)。タンバリンは2010年12月末に解散。以後はピン芸人「アキラ100%」として活動。この芸名を提案したのは同じ事務所所属芸人の錦鯉・渡辺隆。アキラがタンバリン解散後に新しい芸名が思い付いていなかった頃、電車でたまたま一緒になった渡辺に「ユースケ・サンタマリアさんのように、本名に何か1語が付いて一つになった名前がいい」と芸名について相談したところ、アキラ100%というのはどうだと言われ、その後一週間ほど色々芸名を考えて続けたが、この名前を聞いた時の衝撃は越えられなかったということから、改めて渡辺の承諾を得て、現在の芸名に決定した[7]。
一方でヴィジュアル系ユニット、Daccoにダンサー「アキラ氏」としても参加[8]。
2015年7月23日放送の『櫻井有吉アブナイ夜会』(TBS)で、片岡愛之助が一番会いたい芸人として紹介された[9]。これ以来、愛之助とは親交があり愛之助の私設後援会の食事会に招待されたこともあった[10]。
2015年、それまで約7年交際していた看護師の女性と結婚[7]。その女性は看護師であると同時に、日本で10人しかいないと言われる、臓器移植が必要な子供を支援する小児移植コーディネーターである[11]。
2016年のR-1ぐらんぷりで準決勝まで進出[12]、R-1での準決勝進出はこれが自身初となった[13]。なお、これまでノーシードのため、この回は1回戦から出場していた。
2017年のR-1ぐらんぷりで初めて決勝に進出し、Cブロックを勝ち抜き最終決戦まで進出。その後、14票を獲得して2017年度の優勝を勝ち取った[14]。その後、2016年の1年間に有った仕事と同じ数ほどのオファーが、この決勝直後の1日だけで来たという[7]。なお、それまでスポーツクラブのインストラクターのアルバイトをしながら芸人活動をやっており、この年のR-1決勝の前日もこの仕事に行っていたという[7]。なお、その後は芸人としての仕事が激増して多忙になったため、このスポーツクラブのインストラクターのアルバイトは退職(本人曰く「卒業」)したことを同年5月に明らかにした[15]。
落語家の林家たい平と同郷(埼玉県秩父市)であり、本名があきらであることや出身小学校・中学校が同じなど共通点が多い[16]ので、たい平には「笑点」でネタにされ、弟分のように可愛がられている。
2018年1月1日付で秩父市観光大使に就任[17]。秩父市観光大使には俳優の藤原竜也、演歌歌手の冠二郎、THE ALFEEの桜井賢、落語家の林家たい平が任命されている。
芸風[編集]
ネタは主に一人コントで、全裸に股間をお盆で隠しただけの姿で刑事のコントを演じる「丸腰刑事」(まるごしでか)のネタがあり、お盆の裏には旭日章(警察の紋章)がある[18]。お盆を左右交互に押さえたり持ち替えたり裏返したり(技名は「アラウンドザ・ワールド」)、素早くしゃがんだり横歩きしたりなどの動きを入れて演じている[18]。海外でこのネタを披露したこともあり、この時爆笑をもらったという[18]。
この他にも、丸腰刑事と同じく全裸の姿で演じる「絶対見せないdeSHOW」のネタを持ち、2017年のR-1ぐらんぷりでは決勝までこのネタを演じた[19]。元々この裸芸はコンビ『タンバリン』の時代に既にやっていたものであり、これをピンネタにしたものである[14]。これを始めたきっかけは2015年の山-1グランプリ(日本テレビ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の企画)であり、宴会芸を見せるオーディションだったた。その時は何も思いつかず、悩み抜いた末に披露したのが丸腰刑事のネタだった[4]。お盆は100円ショップのザ・ダイソーで調達[20]した15枚を使い回していた(製造中止になったために買い足せないとのこと)[14]。その後、自身がゲスト出演した関西テレビの番組『マルコポロリ』(2017年5月21日放送分)において、番組側が関西中に残っていた同タイプのお盆18枚を買い足した[20]。「絶対見せないdeSHOW」では金色の大きな蝶ネクタイを着用している。丸腰刑事の時は通常つけないが、たまに金の蝶ネクタイをしたまま丸腰刑事のネタを披露することもある。芸が成功したときに流すBGMは「ヒゲのテーマ」のイントロ部分である。
なお、このネタを演じる前には「肉体を美しく見せるのも芸の内」として必ず腕立て伏せなどパンプアップをしており、また清潔感重視の考えからムダ毛の処理を欠かさない[18]。ナインティナインの岡村隆史には「お尻がきれい」と言われたことがあった[21]。
ただし、他の裸芸人がパンツを穿いているのに対し、文字通り裸のため、芸に失敗して局部を露出し、修正をかけられるケースが散見される[22]。楽屋でもお盆で隠し続ける必要があるという[23]。この裸芸を始めたばかりの頃は、お盆を取り落として露出することも珍しくなかったが[4]、2018年1月1日放送の『第51回爆笑ヒットパレード2018』(フジテレビ系)でも、生放送中に芸に失敗してごく一瞬ではあるが股間を全国放映する失態を演じた[24][25]。
また、この芸はテレビで放送する際、カメラのフレーム数が1秒に30コマで撮影しているため局部がお盆のブレで隠されているだけであり、実際は少なからず見えている(『水曜日のダウンタウン』(TBS)の2017年11月8日放送分でハイスピードカメラを使い撮影した時は、局部が見えていた)[26]。
この裸芸を始める前は服を着てのネタを行っており、3回戦まで進出した2015年のR-1ぐらんぷりでも服を着てネタを演じた[7]。
評価[編集]
同じく裸芸のとにかく明るい安村と2015年5月9日放送の『オサレもんプレミア』(フジテレビ系)で共演した時には、安村側は「これはもう戦争ですね」、アキラ側は安村の決め台詞をひねって「安心してください。穿いてません」と返すなど、意識しあう様子を見せた[27]。同輩のハリウッドザコシショウにもしばしば賛同を受けるなど、裸芸人内でも注目が高い[28][23]。
ただし前述のように露出の危険があり、出演番組の司会者は「出たら抗議の電話が鳴り止まない(今田耕司)[29]」などのコメントを残している。2017年4月から5月の2カ月連続で放送倫理・番組向上機構公式サイトの「視聴者からの意見」欄に「青少年や子供の教育に悪影響を与える」「公然わいせつだ」などと苦情が寄せられる事態になったが、これについてダウンタウン・松本人志は「絶対に見せないから、ある意味一番倫理観があるんじゃないか。一番子供にもいい影響がある」とこの芸に理解を示し、バカリズムも「(この芸は)見えそうで見えないから面白い。(苦情を)言うなら見えてからにして欲しかった」と擁護するようなコメントをしている[30]。国際政治学者の三浦瑠麗も「番組側が面白いというならやればいいし、やめたいと判断するならやめればいい。クレーマーの意見なんか気にせず聞かなくていい」といったコメントをしている[31]。
この一方で桂歌丸は「言っちゃ失礼ですけど、裸にお盆で何が芸か。私は違うと思うな」とこの芸に否定的なコメントをし、更にアキラに限らず日本語を使わず笑いを取る芸人についても否定的な見解を示している[32]。 その直後に『ダウンタウンDX』(2017年7月13日)に本人が出演した時にアキラが「怒っているか気になる」と発言した所、その発言のときに居合わせた山田隆夫が「あんなのは芸じゃありません!」と激怒し、(親しい林家たい平ら)他の「笑点」メンバーも「そうですねー」と言っていた」と発言し(山田はこれについて「若い人に人気だから、僕はいいんじゃないかなって思ったけど」とコメント)、アキラはショックを隠せなかった[33]。また桂文枝は2017年R-1ぐらんぷり決勝戦の審査員席で、アキラがネタを披露している間ずっと苦虫をかみつぶしたような顔をしており、後に「噺家として、日常性や普遍性などを大事にして来て、喋りで笑いをとってきたから、ああいうネタをやられると、やっぱり難しい。テレビが裸っていうものを良しとしたのなら、落語はそれに対してどうすれば勝てるかということについて、明確な答えを持ってないのを感じる」といったことを話している[34]。