プレミアムフライデー

プレミアムフライデーは、2017年日本国政府と経済界が提唱した個人消費喚起キャンペーンである。略称はプレ金[1][2][3]プレミアムフライデーセールやキャンペーンを実施している企業のうち、来店者増加は約7割で売り上げ増加は5割越えであり、イベントとして当初の目的である消費の拡大には貢献している[4]

 

 

概要[編集]

日本国政府および経済団体連合会を中心とした、経済界が提唱・推進する、毎月末金曜日(フライデー)に、普段よりもプレミアムな生活を推奨する個人消費喚起キャンペーン。午後3時(15時)に仕事を終えることを奨励する働き方改革とも連携し、給与支給日直後に該当しやすい月末金曜日には、夕方を買い物や旅行などに充てることを推奨している。2017年平成29年)2月24日より実施された[5]

営団体のプレミアムフライデー推進協議会は、「プレミアムフライデー ナビゲーター」として、アイドルグループ・関ジャニ∞を起用[6]関ジャニのメンバーが出演し、プレミアムフライデーについて紹介するPR映像を作成した。

課題・問題点[編集]

働き方改革の一環として普段よりもプレミアムな生活を推奨する個人消費喚起キャンペーンと謳っているが、カルチュア・コンビニエンス・クラブの調査によると、「導入する」企業はわずか3.4%に留まっており[7]、現状では一部の大企業に勤めている富裕層のみがその恩恵を受けている状態であり、次のような問題点も生じている。

時給労働者の収入の減少
労働時間が減った分、時給で働く非正規社員派遣社員は収入減となり、消費は当然減少する。
サービス業労働者へのしわ寄せによる負担増
居酒屋などのサービス業では15時退社のサラリーマンを獲得するため普段より開業時間を早める店もあり、労働者の労働時間を増加させ余暇を奪う結果となっている。その結果、プレミアムフライデーによるしわ寄せでサービス業の労働者負担増が懸念されている。
繁盛期との競合
月末は企業の月次決算作業などと重なり早く退社することが難しいという意見が多く、月初の金曜日に変更してほしいとの要望が出ている[8]。特に2回目の実施日は、多くの企業が年度末としている3月の最終日という多忙を極めることが容易に推測できる日に設定されており、早期退社が1年の中でも最も困難であると唖然失笑の意見が噴出している[9][10]
中小企業への波及
大阪シティ信用金庫の調査によると、プレミアムフライデーを実施した中小企業はわずか2.4%に留まる。特に運輸業は実施した企業は皆無であり[11]、顧客の理解と協力が得られない限り、午後3時で仕事を終えるのは不可能であり、金融関係も月末の金曜午後は最も忙しい時期であるため、職場でもプレミアムフライデーの話題はまったくないのが現状である。プレミアムフライデーは大企業が先行して制度化し、取引先である中小企業などにも波及、一般化できるかが課題となる。ただ、中小企業にとっては、取引慣行の見直しにまで手を付けざるを得ない面があり、現状ではハードルが高い状況である[12]